「眠れないの?」 えっ? 気付くと、聖夜さんが上から私を見下ろしていて、体が“ビクン”と跳ねた。 「早く寝ないと寝不足になっちゃうよ」 「なかなか眠れなくて……」 「目を瞑ってヒツジを数えたら眠れるんじゃない?」 聖夜さんは、そう言ってクスクス笑った。 「あ、あの……」 「ん?」 「聖夜さんは……。やっぱりいいです……」 聖夜さんに聞こうと思ったけど、でも聞けなかった。 いや、聞いたらいけないと言った方が正しいのかもしれない。