聖夜さんがいなくなった部屋。


私は自分が座っていた場所に腰を下ろした。


音を発するものが何もなく、静かな部屋の中で私の頭の中に浮かんだのは家族のこと。


お父さんもお母さんも今頃、私を探してるかもしれない。


塾の先生も心配してるかもしれない。


私はもう、両親のところには帰れないのかな……。


学校に行き、塾に行き、平凡でつまらない毎日だったけど、そういう生活も、もう出来ないのかな……。


帰りたい……。


お父さんとお母さんの元へ帰りたい……。


私は膝をギュッと抱え、そこに顔を埋めた。