公園の奥の方、あまり人目のつかない場所。


そこの街灯に目がいった。


何もないと思っていたのに、何かを見つけた時、体は“ビクン”と跳ね上がり、足が止まった。


街灯の下。


1人の男が立っていた。


背が高く、細身の若い男。


元々、色白なのか、それとも街灯に照らされてるセイなのか男性にしては肌が白い。


真冬なのに、薄手のパーカーにジーンズを履いただけで、何をしているわけでもなく、ただ立っているだけ。


…………えっ?


男の手元を見た時、目が見開かれていき……。


脳は“逃げろ”と命令しているのに、恐怖心からなのか足が鉛のように全く動かない。


男の手にはナイフが握られていた。