視線を感じて、そちらに向くと聖夜さんが無表情でこちらを見ている。
無言の圧力。
まるで話を合わせろ、余計なことは言うなと訴えてるみたいに……。
私は思わず聖夜さんから目を逸らした。
「雪乃ちゃん?どうしたの?」
「えっ?」
レイナさんの方を見る。
「……あ、な、何でも、ないです」
不思議そうに見るレイナさんにそう言った。
相変わらず、聖夜さんの視線を感じる。
もし、余計なことを言ったら……。
私も、あの女性のように……。
頭に血を流して倒れていた女性の遺体が浮かぶ。
体がガタガタ震えだす。
涙が溢れ出し、ポロポロと落ちていく。
その時、フワッと甘い香りに包まれた。
「大丈夫だよ……」
レイナさんが私を抱きしめ、そう呟いた。
涙が止まらない私の背中を優しく撫でるレイナさん。
「大丈夫、大丈夫だからね」
そう優しく言いながら……。
「ゴメン、なさい……」
私は、泣きながらレイナさんに謝った。
レイナさんの体が離れる。
「謝らなくていいから。ねっ?」
そう言ったレイナさんの頬にも涙が流れていた。



