「僕に何か聞きたいことがあったんでしょ?」



そうだけど……。



「言ってみて?」


「…………あの、前に、どこかで会ったことありますか?」


「えっ?」



聖夜さんは目を丸くして、そう言ったあと、クスクスと笑いだした。



「あるわけないでしょ?」


「そう、ですよね……」


「もし、雪乃のように可愛い子に会ったことがあるとしたら忘れないよ。僕も一応、男だからね」



やっぱり私の勘違いだったんだ。


彼と私は初対面なんだ。


てか、私には男性の知り合いなんていないし。


彼のようにイケメンと会ってたとしたら、私だって忘れないと思う。