秘密恋愛




その時……。


ーー雪乃。


後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。


足を止める。


後ろを振り返るけど……。


そこには誰もいなかった。


私の名前を呼んだ声。


間違いない。


聖夜さんの声だ。


強い風が吹き、境内の木が揺れてザワザワと音を立てる。



「雪乃ちゃん?どうしたの?」



そう聞いてきたレイナさんは不思議そうな顔をしていた。



「あ、いや……何でも……」



私はそう言って前に向き直した。


そして、結の足に合わせて階段まで来た時、再び強い風が吹き、境内の木をザワザワと揺らす。


私は立ち止まり振り返った。