「あいつ、俺にこう言ったんだ……。僕には失うものは何もない。でもお前には家族がいる。僕がお前の身代わりになるよって……」
「そんな……」
倒れそうになる体を倒れないように足に力を入れて、その場に必死に踏ん張っていた。
「俺、最初は断ったんだ……でも聖夜が、いいから逃げろって……俺、あいつの優しさに甘えて……気が付くと走って逃げてた。それであの時、君に……本当にゴメン……謝っても許してもらえないのはわかってる……」
「何で……。ねぇ、何で!」
私は声を荒げた。
教会の中に私の声が響く。
「聖夜さんは、あなたのせいで……」
被らなくてもいいを罪を被ってしまった。
「俺もずっと苦しかったんだ……後悔してた……」
「苦しい?後悔?人に罪を被せておいて?いくら聖夜さんが逃げろって言ったからって、聖夜さんはもっと苦しんだはずだよ。それに私だって……」
「そうだね……聖夜が無実の罪で捕まったのも、君が聖夜に拉致られたのも、全て俺のせいだ……」
彼はそう言って、力なく椅子に座ると項垂れていた。



