秘密恋愛





「雪乃ちゃん、あのさ……」



しばらくの沈黙のあと、先に口を開いたのは彼の方だった。



「はい……」


「俺、君に謝らなきゃいけないことがあるんだ……」


「えっ?」



謝らなきゃいけないこと?


それは何?


彼とは初対面ではないにしろ、ほぼ初対面の状態だ。


あの日以来、彼には会ったことなんてない。


だから謝ってもらう理由もないはずなんだけど……。



「実は俺……」



彼がそこまで言った時、私をチラリと見て深く息を吐いた。



「…………客の女に付き纏われてて」



客の女?


その時、頭の中にあの時の光景が蘇る。


公園の地面に横たわり血を流していた女性。


手がブルブルと震えだす。