「俺と聖夜は5年前に仕事で出会ったんだ……。同期入店だったから、すぐに仲良くなったわけじゃなくて、俺は聖夜をライバル視してて、でも聖夜は俺のことなんてライバルにも思ってなかったみたいだったけど」
彼はそう言ってクスリと笑った。
「同期入店?」
レイナさんは聖夜さんの仕事は接客業と言っていた。
でもそれ以上は何も教えてくれなくて、聖夜さんがどんな仕事をしていたかなんて今もわからないままだった。
「聖夜から何も聞いてないの?」
「はい……」
「俺と聖夜はホストだったんだ」
「えっ?」
聖夜さんがホスト?
彼の身なりなら、ホストと聞いて納得するけど、聖夜さんがホストと聞いても信じられなかった。
確かにレイナさんの言うように接客業ではあるけど……。
「聖夜って、あまり騒ぐこともなくて、どことなく冷めた感じで物静かで……。でも何故か人気あったんだよ」
「そうなんですね……」
「最初はこいつだけには負けたくないってライバル視して、正直、聖夜が嫌いだった。でも同じテーブルにヘルプに付いたり、いろいろ話してるうちに仲良くなっていって、そのうち一緒に飯食いに行ったり、お互いの身の上話までするようになってね……」
じゃあ、彼は私の知らない聖夜さんを知ってるんだ……。
私より付き合いが長く、同じ仕事をしていたから、それは当たり前のことなんだけど。
でも、なぜか彼に嫉妬している私がいた。



