昔の記憶を頼りに、電車を乗り継いで小学校入学までいた街に着いた。


駅を降りた時には雪は止み、さっきまで曇っていた空に晴れ間が覗いていた。


駅を出た。


たった6年間しか住んでなかった街なのに懐かしさを感じる。


教会で遊んだお兄ちゃんは、どんな顔をしているのだろう。


名前は何て言うのか。


必ず会えるかなんてわからないのに。


もしかしたら、お兄ちゃんは聖夜さんかもしれない。


でも、どこかで会ったことあるかと尋ねたら、聖夜さんは否定した。


だけど……。


心のどこかで聖夜さんかもしれないという思いがあって……。


そう思うと胸がドキドキして……。


聖夜さんは来れるはずないのに……。