クリスマスを過ぎ、あと数日で今年も終わる。
「ママ!」
朝からお母さんと物置の整理をしていた結がキッチンに入って来た。
キッチンでお昼ご飯の用意をしていた私はガスを止めて、結の方へ向く。
「ん?」
結と同じ目線の高さまで膝を折った。
「これ!」
結が手に持っていたものを私の目の前に出す。
これ……。
結が手に持っていたものは、私の宝物入れ。
私が4、5歳くらいの時に、海外出張に行ったお父さんがお土産に買って来てくれたもの。
「懐かしい〜!」
「これ!」
結が宝物入れを上下に揺すった。
「開けて欲しいの?」
「うん」
結が笑顔でコクンと頷いた。
私は結を抱っこしてリビングに行き、ソファに座らせた。
宝物入れをリビングのテーブルに置く。
その時、お母さんがリビングに入って来た。