「これから一緒に暮らすのに、お互い名前を知らないなんて、おかしいでしょ?」 確かに彼の言う通りだ。 でも、それは普通の関係ならの話。 私たちの関係は加害者と被害者だ。 自己紹介をして仲良く一緒に暮らしましょ?の世界とは違う。 「ねぇ、キミの名前、教えて?」 こんなイケメンに、目の前でそんな事を言われて、女の子ならトキメクだろう。 彼は殺人者なのに……。 笑顔でそう言われて、私の胸は不覚にも“トクン”と高鳴っていた。