レイナさんが住むマンションの前に着いた。
「雪乃、これ……」
お父さんは私に封筒を差し出してきた。
「何、これ?」
「生活費。また足りなくなったら言ってくれたら渡すから……」
「えっ?いいよ……貯金もあるし……」
「貯金は何かのために取っておきなさい」
お父さんはそう言って、現金の入った封筒を無理矢理、私のカバンに入れて来た。
「ありがとう……」
私はお父さんに頭を下げた。
「じゃあ、行くね……」
シートベルトを外して、車のドアを開ける。
「待って!お父さんも一緒に行く」
「えっ?」
「雪乃が世話になるんだから……。親として挨拶しとかないとな」
「うん……」
お父さんは車のエンジンを止めた。
私とお父さんは車から出た時、レイナさんがマンションのエントランスから出て来るのが見えた。
レイナさんちに行く前に連絡したから、多分、迎えに出て来てくれたんだと思う。
私とお父さんを見て、驚いた顔をしていた。
私1人で来ると思っていたから、隣に知らない中年のオジさんがいる事に驚いたんだろう。



