その日の夜にレイナさんちに行くことにした。
簡単に荷物をまとめ、お父さんに車でレイナさんの家まで送ってもらうことにした。
ボストンバッグを持って、部屋を出た。
お父さんとお母さんの寝室の前。
中からお母さんの啜り泣く声が聞こえてきた。
「お母さん?」
ドア越しに声をかけるけど、返事はない。
「お母さん、ゴメンね……」
そう言って、寝室の前を通り過ぎた。
ーーいつかわかってくれる日が来るよ。
お父さんはそう言っていた。
階段を下りる前、もう一度、寝室の方を見た。
お母さん、ゴメンね……。
私は心の中で、もう一度、そう言って階段を下りた。



