「先生〜!」 病院の玄関を開けて、レイナさんが大きな声を出した。 他の患者さんは誰もいない。 シーンと静まり返った院内にレイナさんの声だけが響き渡った。 奥から廊下を歩く音が聞こえ、私とレイナさんの前に40代くらいの白衣を着た背の高い男性が出て来た。 「レイナちゃん、いらっしゃい」 笑顔でレイナさんにそう言った男性。 この人が先生? 「雪乃ちゃん?ここの院長で私のお客さんの渡部(ワタベ)先生」 「あ、は、初め、まして、朝井雪乃です……」 私は頭をペコリと下げた。