「可愛い!」
「喜んでもらえて良かった。雪乃ちゃんって綺麗な黒髪だから似合うと思って」
「ありがとうございます!」
私はお礼を言って、マジェステを元の通りとはいかないけど、透明のフィルムに包んで紙袋に丁寧に入れた。
「雪乃ちゃん、あれからどう?少しは落ち着いた?」
「……はい」
「良かった。昨日ね、アキの面会に行って来たんだ……」
レイナさんの口から聖夜さんの事が出てきて、胸がドクンと高鳴った。
「面会って、病院にですか?」
保護された時、女性警官は聖夜さんは病院に運ばれたと教えてくれた。
あれからどうなったのか私にはわからない。
「ううん、拘置所」
今、聖夜さんは拘置所にいるんだ……。
「そうなんですね……」
元気でしたか?と聞くのもおかしいと思って、それだけ言って黙っていた。
「ねぇ、雪乃ちゃん?」
「はい」
「アキに会いたい?」
「えっ?」
水の入ったコップを持っていた私の手が止まった。
会いたい……聖夜さんに会いたい……。
だけど、会ってしまえば……。
聖夜さんに対しての感情が抑えきれないかもしれない。
手で触れて欲しい、抱きしめて欲しい。
そんな感情が……。
「わからない、です……」
だから、そう答えるしかなかった。
「そっか……そうだよね……。雪乃ちゃんは被害者だもんね……」
レイナさんはそう言って困ったような少しだけ寂しそうに笑顔を見せた。



