「雪乃?隣に来て?」
電話を切ったあと、聖夜さんはそう言った。
私は聖夜さんの隣に座る。
隣に座った私の手を聖夜さんはギュッと握りしめた。
私も聖夜さんの手をギュッと握る。
「レイナ、すぐ来るって」
聖夜さんはそう言って、私の肩に頭を乗せてきた。
「うん……」
もう、いやだとは言えなかった。
私が、いやだと言っても聖夜さんは、私を解放するだろう……。
だったらそれに素直に従うしかない。
「今まで怖い思いさせてゴメンね……」
「ううん……。ねぇ、聖夜さん?」
「ん?」
「聖夜さんは、これからどうするの?」
「自首するよ……って、言いたいけど、でも、もう僕には歩ける気力も体力も残ってないんだ……」
聖夜さんはそう言ってクスリと笑った。
「レイナさんに救急車を呼んでもらって……」
「もい、いいんだよ。僕はこのままで……」
「ダメ!ちゃんと病院に行って治療して、そして、罪を償って下さい!」
「そうだね……」
さっきまで聖夜さんに逃げようって言ってたくせに、罪を償えなんて言って矛盾してるな私……。
でも聖夜さんに死んで欲しくない。
生きていて欲しい。
その時、アパートの外廊下を誰かが歩いてる音が聞こえた。
「レイナが来たみたいだね」
レイナさんが来たら、私と聖夜さんの関係も終わってしまう。
そう思うと、少し寂しくて……。
乾いていた涙が再びこぼれ落ちた。



