「雪乃の笑った顔、初めて見たかもしれない……」



聖夜さんにそう言われて、再び恥ずかしさが込み上げてくる。


恥ずかしさから、少し下を向いて聖夜さんから目を逸らした。


そんな私を聖夜さんはギュッと強く抱きしめてくる。



「いろいろあって疲れたね」



私はコクンと頷いた。



「寝ようか……」



顔を少し上げて聖夜さんを見ると、目を閉じていた。


私も目を閉じる。


私たちは深い眠りについた。


聖夜さんと私との間に犯罪者と被害者という壁なんてなくなっていた。


そんなこと忘れるくらい、今、私はとても心地よく穏やかな気持ちでいたんだ。