「もしかして、一晩中起きてたの?」
聖夜さんの言葉に首を左右に振る。
「そうなんだ」
聖夜さんはそう言って、少し困ったように笑った。
いつもの聖夜さんじゃない。
どことなく悲しそうで……。
苦しそうで……。
「あの……」
「ん?」
「ゴメン、なさい……」
「どうして謝るの?」
聖夜さんは不思議そうな目で私を見た。
「だって、私が……」
私があんなこと言ったから……。
でもあの時は苦しくて、あれが正解だと思った。
本気でそう思っていた。
苦しみから解放されるなら、聖夜さんに殺されてもいいと……。
だけど、今は……。
あんなことを言ってしまったことへの後悔の苦しみの方が強かった。
「雪乃は悪くないよ?ちょっと外の空気を吸いたかっただけ」
私が何を言おうとしていたのかわかったのか、聖夜さんはそう言ってクスリと笑った。
「聖夜さん……」
聖夜さんの言葉は本心なんだろうか……。
もし、それが本心ではなかったら……。