ーーガチャ 玄関が開く音がした。 胸がドクンと高鳴る。 部屋に入って来る足音。 振り向くと、そこに聖夜さんが立っていた。 私の姿を見ると、まるで幽霊でも見てるかのように驚いた顔をしている。 「お、おかえり、なさい……」 「あ、うん……」 私の言葉に更に驚いた顔を見せながら、そう返事をした聖夜さん。 聖夜さんの髪の毛や服が濡れている。 それを見ただけで、聖夜さんが一晩中、雪の降る中にいたことがわかる。