「あの、レイナさん……」
「ん?」
スマホに目を落としていたレイナさんは私を見た。
「さっきは、その……スミマセン、でした……」
「えっ?」
「トイレで……」
「あぁ!気にしないで?私、慣れてるから」
レイナさんはそう言ってクスッと笑った。
慣れてる?
どういうこと?
「私、キャバ嬢してるじゃん?」
「はい……」
「いろんな客が来るんだけど、中には上司に無理矢理連れて来られて、飲めない酒を無理矢理飲まされて、みたいな新人君もいたりね。だからトイレの介抱には慣れてるの」
「なるほど……そうなんですね……」
「私もさ、新人の時には慣れないお酒を飲んで、よくトイレで寝てたなぁ……。めっちゃ怒られたけど」
レイナさんはそう言ってケラケラと笑っていた。
私の中ではキャバ嬢はお酒飲んで、お客さんと話しして、バカ騒ぎしてみたいな勝手なイメージがあった。
でも見えないところで苦労してるんだな。
身なりもいつも綺麗にしとかないといけないし。
レイナさんは髪もメイクも爪もいつも綺麗だ。
私には絶対に出来ないだろうと思った。



