聖夜さんが優しく私の涙を拭っていく。



「泣かないで?」



聖夜さんの笑ったような困った顔。



「ゴメン、なさい……」



私は聖夜さんに謝ることしか出来ない。


ねぇ、聖夜さん?


どうして、アナタは私にそんなに優しくするの?


アナタは人を殺めた人……殺人者で……。


私はそれを目撃した人。


アナタは私のことが憎いはず。


殺したいぐらい憎いはずなのに……。


なのに、なんで?