バタンーー。
玄関が閉まる音がした。
いつも静かな部屋の中が余計に静かになって、自分の息遣いだけが耳に届く。
手首に巻かれた結束バンド。
取れないとわかっていても必死に手首を動かして取ろうとしてみる。
「いたっ!」
手首を動かせば動かすほど、結束バンドが手首に食い込み痛みが走る。
なんで、こんなことに……。
私は体を横に倒した。
あの日まで普通に生活していた。
聖夜さんと出会ったことで私の運命は大きく変わってしまった。
お父さん、お母さんはどうしているのか。
高校生の娘が家にずっと帰らなくて行方不明になったまま。
警察に捜索願を出したけど、なかなか見つからずに焦っているかも……。
「はぁ……」
私の口から大きなため息が出た。
そして私は、そっと目を閉じた……。



