でも、一つだけ。 本当に一つだけ、言える事がある。 巧は、 とんでもない、 ……いや。 ……とんでもなさすぎる程の策士なのだ。 それは、巧の裏を知っている人なら誰もが理解している。 今の巧が“表”なのか“裏”なのか、そんな事は全く分からない。 何を考えているのか、何を企んでいるのか。 はたまた、何も考えていないのか。 そんな事は、いくら巧の“裏”を知り尽くした人であれ、誰も知らない。 いやさ、まず、裏の巧を知り尽くした人すらいないんだけどね。