「圭、お前ズリィぞ! リン、俺は? 俺の事、好き?」
巧が圭をぺしっと叩いて言う。
ああ、こうなると思った。
「いてぇな……巧、何すんだよ」
「お前だけリンに聞くなんてズリィんだよ」
「は? ズルい? 人生早いもん勝ちなんだよ」
意味不明な事を言う圭を原因に、くだらなさすぎる口ゲンカが始まる。
「……ちょっ、タク、圭! 何言っとん! くだらん言い合いせんでや」
樹が二人を離す。
「でもよ、樹いいのか? 圭だけ先越そうとしてんだぜ?」
「そりゃ、当たり前やん。おい、圭。俺もいいやろ? ……リンちゃん、俺はどうなん? 俺の事、好きか?」
「……っオイ! なんで樹まで」
「うるせぇ! 圭だけズルいけやんか!」
……予想できたけどあえて予想しようとしなかった光景が目の前に。
あはは。
巧と圭だけじゃなく、樹もなんです。
みんな、私を好きだ、と。
そう言ってます。