学校に着くと、下駄箱で私たちは別れる。


私は3階の2年生の教室へ。兄さんは1階の3年生の教室へ。


教室に入ると私の席の近くにいた女子はそそくさと違う場所に行く。


またか……。


席に行けば机の上には落書きだらけ。


キモイ。死ね。邪魔。ブス。目障り。


椅子を引くと椅子の上にはたくさんの画鋲。


こんなことやってなにが楽しいのか…。


机の上の落書きを消し、画鋲を画鋲入れに戻してから席に着く。


『江河さ~ん』


今度は違う女子たちが私の机を取り囲む。


その中に昔の友達がいることに毎度ショックを受ける。


『ねぇ~仲良くしてあげるから翔先輩のメアド教えて~』


これも毎日のこと。


兄さんは私とちがって同い年、後輩からも人気がある。


でも、兄さんは学校での人付き合いは悪い。


だから私に擦り寄ってくる女子の大抵が兄さん絡みだとすぐわかる。


「無理」


そう一言言えば、チッと舌打ちをした女子たちが私の机を思いっきり蹴飛ばした。


『だったらあんたは用無しだから出てってほしいんだけど~』


バカバカしい。


第一、そんな性格で兄さんが振り向いてくれると本気で思っているのだろうか。


だとしたら滑稽だ。


私が女子たちを無視すれば、また舌打ちをして私から離れていった。


それと同時に授業の始まるチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。