朝ご飯を食べ終え、私たちは制服に着替える。
「兄さんは今日、何時くらいに帰ってくる?」
『今日は3人だったから…11時くらい』
「わかった」
『芽衣は…』
「私は今日は2人」
『なぁ芽衣…お前はもう…』
兄さんが何を言いたいかわかったので、兄さんの口を手で塞いだ。
「それ以上言わないで…。兄さんに迷惑はかけたくないの。2人の生活費なんだから2人で稼がなきゃダメでしょ?」
『だったらこんなことしなくてもカフェとかのバイトでいいだろ?!なんで自分の身体を大事にしないんだよ…』
「それ…兄さんが言えるの?」
そう言えば兄さんは反論できないことを知っていてあえて言う。
最低な女だね…私は。
「それにこれじゃなきゃ、生活費足りなくなるでしょ?」
兄さんは何か言いたそうな表情をしていたがそれに気づかないフリをして玄関に向かう。
兄さんのいうことは大体分かる。
俺がその分、もっと働くから、って優しい兄さんなら絶対にこう言うに決まってる。
だから余計に苦しいんだ。
兄さんばかり汚れていくのが。
