カーテンから漏れる日差しで私は目を覚ます。


隣には規則正しい寝息をたてた兄さんがいる。


「おはよう兄さん」


寝ている兄さんに挨拶をしてから私の1日は始まる。


寝巻きのままエプロンを付け、朝ご飯を作る。


朝ご飯は白いご飯と魚と野菜。


なんとも質素な朝ご飯だが、私も兄さんも好きなので毎日同じメニューだ。


それに極力、火は使いたくない。


もちろん、焼いた魚と白いご飯にたちのぼる湯気がなくなるまでは食べたりしない。


ご飯と魚が冷めるまでに、学校の準備をする。


そして頃合いを見計らい、兄さんを起こす。


「兄さん起きて。朝ご飯できたよ」

『ん…芽衣か。おはよう』

「おはよう」


兄さんは寝起きがいいから手間がかからない。


1度起こせば起きてくれる。


「ご飯食べよう」

『ああ』


椅子に座り、テーブルに並べた朝ご飯を食べ始める私たち。


もちろん、そこには会話は一切ない。


別に仲が悪いわけじゃない。


第一、仲が悪かったら一緒に寝たりもしない。


私も兄さんもこちらのほうが楽だから話さないだけだ。