私はズルズルと床に座り込んだ。


『今はお兄さんと2人で暮らして、援交は生活費を稼ぐためにしている。そうだよね…?』


高坂君の質問に何も答えなかった。


答える気もなかった。


もうこれ以上高坂君と関わりたくない。


そう思って保健室を出ようと立ち上がったら突然高坂君に手を捕まれた。


「なに…離して…」

『江河さん…俺と一緒に住まないか?』


…っえ…?


高坂君の言葉にまたも思考がストップしそうになる。


「何…言ってるの…?」

『俺も、俺の両親もあなたたち家族に本当に申し訳ないことをした思っている。今、生活は大変なんだろ?俺の家に来ればちゃんとした食事も寝床も出す。それに…あなたも援交をしないで済むだろ?』

「私は…」


正直、放火犯の人の家族と過ごしたくはない。


『あなたからしてみれば放火犯の家族と過ごすのは嫌かもしれない。でも俺の両親は本当の子供のようにあなたを世話していくつもりだ。あなただって…援交なんかしたくないだろう…?』


確かに援交はもうしたくはなかった。


好きでもない男のモノが自分の体の中に入っていく感覚。


思い出すだけでも吐き気がする。


……それでも……。


「すみません…一緒に住めません…」

『…なぜっ?!』

「その理由を…あなたに話す必要はないでしょう…?」


私は高坂君の手を振り払い保健室を出た。


『やはり…翔さんを説得するしかないか…』


そう高坂君が呟いていたとも知らずに。