高坂君に連れてこられた場所は保健室。


先生は普段保健室にいないため生徒達にとって絶好のサボり場所。


私は使ったことがないけど…。


高坂君は私をソファーに座らせ、近くにあった椅子に座った。


「あのっ…!!授業が始まるのでっ…!!」

『まぁちょっと話そうよ』


焦ってる私に反して、高坂君はひどく落ち着いていた。


何で私と話しがしたいのか…。


訳が分からず私の心にイライラが募っていく。


『江河さんが援交をしている理由…俺は知っていると言ったらどうする?』

「えっ…?!」


突然の高坂君の言葉に一瞬思考がストップする。


高坂君の表情はとても真剣で、その表情が嘘を言ってないことの証明となった。


なん…で…?どうして…高坂君が…?


『1年前、ある家で火事…いや放火が起こった。そこで亡くなったのは江河亮介(コウガリョウスケ)さんと江河春菜(コウガハルナ)さん。…江河さんのご両親だよね?』


あの時の映像がフラッシュバックされる。


「ああっ…!お母さん、お父さん…っ!」


私は溢れ出した涙を必死に手で払う。


最悪だ…他人の前で涙を流すなんて…。


『あの時の犯人…誰だか知ってる…?』


犯人なんて興味がなかった。


誰であろうとお母さんとお父さんの命を奪ったことに変わりはない。


私はその犯人を一生恨む。