学校に着いて兄さんと別れた私は重たい足取りで教室に向かう。


どうせ今日も…。


教室の前の廊下に転がっている1つの机。


ため息をつくことすらバカらしく感じてしまう。


こんなことして何が楽しいのか…。


『…ったく…どこに行ってもこんなことあんのかよ…』


机を元に戻そうとしゃがみ込んだ私の頭上から声が聞こえた。


顔を上げるとどこかで見たことのある顔。


誰だっけ…?


『あ、あなたは昨日の…』

「あ…」


昨日ぶつかった人。


『大丈夫?』


男の子はそう言って私の机を持ち上げてくれた。


「あ、自分で運べるんで大丈夫です」


必要以上に男と関わりたくない私。


しかしそんな私をよそに


『気にすんな』


と言って机を持ったまま私の教室に入った。


慌てて後を追う私。


そんな私たちを好奇の目で見るクラスメイトたち。


中には私のことを睨む女子もいた。


な、なんで…?