お母さんとお父さんが亡くなってもうすぐで1年が経つ。


あの時以来、私は暖かいもの、熱いものがダメになった。


食事もほとんどが冷たいもの。


お風呂のお湯もぬるま湯。というより冷水。


冬でも薄い服。


そんな私に、当然友達も近づかなくなった。


よってくるのは馬鹿な男ばかり。


金を払うからやらせてくれ。


そんな馬鹿な男に身を委ねる私も相当な馬鹿。


でも、これであの人と一緒に過ごせるならアリだと思った。


当然、感じているような声も、笑顔も、全部偽りのもの。


この人たちに本当の私をさらけ出す必要なんてない。


この人たちの温もりなんて偽りだから気にしない。


家に帰ればすぐに風呂に入り、男との関係を洗い流す。


何度も何度も洗い流して男の存在をなかったことにする。


風呂から出ると向かう先はただ1つ。


リビングにある、2人で使うシングルベッドの中。