…まだ家に着かないのか…。


歩き始めてもう1時間近くは経ったと思う。


なんでこんなに家が遠いんだ…。


『すみません…こんなに遠くて…もうすぐで着くんで帰ってもいいですよ…?』

『いや…俺が送るって言ったんだから…最後までちゃんと送る…』


申し訳なさそうに頭を下げる笹山にいつも女から見られる滑稽さは見られなかった。


こんなやつ…芽依以外で初めてみた…。


『あ、あそこです!』


笹山が指さす方には2階建ての家が1つ。


『両親…心配してるんじゃないか?』

『今日はおばあちゃんの面倒を見ていたので、遅くなること知っているから大丈夫です』

『ここから…毎朝学校に通ってるのか?』

『はい。毎朝1時間近くかかってしまうので朝起きるの大変なんですよ…』


そりゃそうだ…俺もこんなとこ来るの初めてだし…。


『そっか…じゃあ早く寝るんだぞ』

『あ、ありがとうございます!わざわざ送って頂き…』

『気にすんな。じゃあ場所と時間が決まったらメールしてくれ』

『へっ…何のですか…?』


何のって…自分でいったくせに…?


『いや、だから…デートのだよ』

『ええ!本当にしてくれるんですか!?』

『信じてなかったのか…?』

『い、いえ!…さっきのは気まぐれなのかと思って…』

『まあ…あのことバラされても困るしな…』

『わ、私はバラしたりしません!で、でも…本当の本当にデートしてくれるんですか…?』

『だからメアド交換したんだろ…?』


やったー、っと嬉しそうにガッツポーズをする笹山。


『じゃあ…俺急いでるから…おやすみ』

『あ、おやすみなさい!』


俺は今来た道を走った。


遅くなりすぎたな…。


芽依…今帰るぞ…。