『1回だけでいいので…デートしてくださいっ!』

『はっ?』


真っ赤な顔を隠すように俯く笹山。


デートって……。


『いや、それは…』

『で、ですよね…いきなりこんなこと言ってすみません…あ、もちろんさっきのことは言いませんから!そ、それじゃあ私帰ります!』


笹山は俺にペコリと頭を下げて帰ろうとする。


その笹山の腕を俺は気づかないうちに掴んでいた。


『あ、あの…なんですか…?』

『あ、悪い…1回だけなら…別に構わねえけど…?』

『えっ?!』


笹山はこれでもかというくらい目を大きく開いている。


何でこんなこと言ったんだ…俺。


『い、いいんですか…?』

『あ、ああ…たいしたことはしてやれねえけど…』

『そ、そんな!江河君とデートできるだけ幸せです!』


途端に笑顔になった笹山。


それにつられ、俺も笑ってしまった。


コロコロと表情が変わるんだな…こいつって。