『それじゃあお金はもういいのね?』


伸ばしかけていた手を止め、先生の方を見る。


余裕そうな表情に少しだけ腹が立つ。


確かに10万円を失うことにためらいはある。


だけど…こんな行為に自分の感情を出すくらいなら…。


『感情を出すくらいなら…お金なんていりません』


止めていた手を動かし、服を着て部屋を出た。


俺の答えが意外だったのか『え、ちょっと待って!』と先生の慌てた声が後ろから聞こえてくる。


それを無視して歩いていたが、ホテルの出入り口で先生に捕まった。


『話してください。芽依が待ってるんでもう帰ります』

『いいの?妹さんにバラしても?』

『だったら俺は校長にあなたのことを言うまでです』

『あなただって退学になるかも知れないのよ?』

『それくらい承知です』


先生と1時間近く言い合いをしていた。


まさかその光景を見られると知らずに。