「紘の事を気にしているのか?」
「・・・・・・・・はい。」
「今日の夕方、紘が来たときに二人で話し合ってほしい。
急がせたりはしたくないんだが、時間があくと逃亡する恐れもある。」
「・・・・・分かりました。」
「ごめんな。」そう言いながら渡邉さんは頭の上に優しく手を置いてくれた。
とても安心した。だけど自分の体は正直で手が少し震えていた。
紘はいったいどんな顔をするんだろう。
どんな気持ちで私の話を聞くんだろう。
あの子を傷つけてしまうのではないか。
あの子を混乱させてしまうのではないか。
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