「はやく教えろ。
子供が寂しがってんぞ。」
「・・・・じゃあ、お言葉に甘えてよろしくお願いします。」
そのあと私は渡邉さんに幼稚園の場所を教えた。
渡邉さんが病室を出てってから、携帯で幼稚園に連絡をいれた。
今日は急遽用事ができて、友人である背の高い男の人が紘を迎えに行くと。
見ず知らずの渡邉さんが急に紘を迎えに行ったら、絶対怪しい人だと勘違いされると思ったから。
紘が帰ってきたら、私はこの傷をどうやって言い訳すればいいんだろう。
私はどんな顔で紘に会えばいいのだろう。
そんな事を考えていたら、気づかぬ間に時間だけが過ぎてしまった。

