ガチャ ドアを開けると私の大嫌いなタバコの香りが鼻についた。 靴を脱ぎ、一回深呼吸をしてから アイツがいるであろう部屋に一歩ずつ近づいて行った。 「おい、金はどこだ。」 部屋に入るや否や私の顔を確認せずそんな事を言ってくる男に、心底あきれた。 「ココにはもうないよ、一銭も。」 「ああ?」 やっとこっちを見た彰は、昔の面影など微塵もなかった。 もう全てが変わってしまった、彰も、私の気持ちも。