「助けて貰ったんだ、クリーニング代なんていらない。」 「で、でも『そんなことより、』 私の言葉を遮った渡邉さんは、 私の方をまっすぐ見てから口を開いた。 「こんなところで何をやってるんだ?」 ドキッ! やっぱりこの人は、覚えていたんだ。 「・・・・よく覚えてましたね。」 「これでも、記憶力だけはいいんだ。」 「『こんなところで何やってるんだ』って・・・・ ただ働いてるだけです。」