弟、じゃない。だけど、弟。




「麗ー、どうしたの!そんな辛気臭い顔してー」



俯き加減で教室に入って行くと、他の子と話していたマナが話を止めてこっちへ来てくれる。


顔を上げて、唸(うな)りながらマナに抱きつく。


そんなあたしの頭を、“おーよしよし”と撫でてくれるマナ。



「でー?また、弟くん?」



少し笑いながら問うマナ。


そう、あたしが凌の事でマナに縋(すが)り付くのはこれが初めてではない。



「・・・うんー・・・。なんか最近、更に冷たくなった気がするよーー」


「マジでー?アンタ何かしたんじゃないのー」


「何もしてない!・・・だって、喋ってもないもん・・・」