弟、じゃない。だけど、弟。





「・・・麗、こっち、向いて」


・・・耳元で囁かれる低く冷たい、声。



ちょ、待って・・・。

本当に、状況が理解できないよ。




なんであたしは、凌に抱きしめられているの?

なんで、・・・。




「・・・はやく」




また、囁かれる。


その冷たい声にあたしは・・・後ろを、向いた。






そしたら、

なんでか、




唇を・・・塞がれてしまって。






「っ・・・!?」




あたしの唇を塞いでいるのは紛れも無く、凌の・・・唇。


少し柔らかいその感触に、あたしは目を見開いた。