「・・・」 でも、凌は、何も喋んない。 意味、分かんない・・・。 恥ずかしいから、早く部屋に戻りたいのに。 「・・・凌?なんで、掴んでるの・・・?」 恥ずかしくて凌の顔は見れないから、後ろは振り向かない。 いきなり、ぱっと手が解放されたかと思うと・・・ ―――抱きしめ、られた? 背中を中心に、あたしの体を包み込むような温もり。 これはきっと、後ろから・・・抱きしめられているような感覚。