弟、じゃない。だけど、弟。






駆け足で廊下を進み、階段を上がった。

・・・上がりきって、左に曲がろうとした―――ら。




「あ・・・」




・・・まさかの、凌との鉢合わせ。

固まるあたしに、足を止めてあたしを見下ろす凌。

今度こそ目が合ったまま、・・・離せない。


あたしは今、下着姿。

どうしよう、どうしよう?


「・・・あ、あの、もうご飯できたね?先行ってて下さい!」



混乱したあたしは、意味不明な言葉を並べる。


もうご飯できたね?

・・・先行ってて下さいって、1度も一緒に行ったことは無い。



もう、やだ。

恥ずかしいし、自分馬鹿だし、ああ・・・。