弟、じゃない。だけど、弟。




駅で、マナと手を振り合い別れる。


凌は、あの彼女さんとはもう長いのかな・・・とか、


あの後はもう家へ帰ったのかな・・・とか。



姉として保護者気分なのか分かんないけど、頭に出てくるのはやっぱり凌。


少し薄暗くなった道を辿って、家へと帰宅した。



家に入るとカレーのいい匂いがした。


玄関には凌の大きなローファーがあったから、もう帰っているのだと知る。




「今日、カレーなんだね」



キッチンにはお母さんがエプロン姿で立っていて、あたしは問う。



「そうなの。もう少しで出来るんだけど・・・麗ちゃん、先にお風呂入る?」


鍋をかき混ぜるお母さんに、“そうするね”と頷く。



その後は、部屋にスクバを置いてお風呂場へと向かった。