弟、じゃない。だけど、弟。




でも、そんなのはすぐ逸らされて。


じっと見つめるあたしは、ただの他人。


顔はよく見えなかったけど、背が高めの綺麗な彼女と・・・凌は、人混みの中へと消えていった。



「・・・分かんなかった。制服男子なんか、そこら中にいたし・・・え?どこ」



ぶつぶつと、1人で言っているマナ。



「もう行っちゃった!ごめんね?早く食べよっ」



そしてそのまま、残りのクレープにかぶりついた。



・・・そっか。凌、彼女出来たんだ。

うん、もう高1だしね。



凌、モテそうな容姿してるし・・・もう、何であたしこんな動揺してんの・・・。





「・・・弟くん、どこの高校行ってるの?」



あたしに向き直るマナ。