まるで、突然、何か悪いモノにでも取り憑かれたような人の変わり具合だ。

怖さと、辛さと、悲しさが混じり合い泣き出してしまいそうなのを何とか耐えながら斜め前に座って居るおばあちゃんの顔を縋るかの如く見遣る。

僕と目が合うとおばあちゃんも顔を顰め、何も云わずに首を左右に振った。

その否定的な様子を見て余計に辛く悲しい気持ちになる。

いつでもどんな時にでも僕の味方だった筈のおじいちゃんとおばあちゃん。

そんな優しい二人が初めて僕の味方をしてくれなかったこと。

自分の行ってみたい場所にも自由に探検をしに行けないこと。

何もする事がなく退屈な数日を過ごしていたこの僕が、やっと一人でも遊べそうな場所を見付けたというのに。

やっと、やっと思い付いた場所だというのに。

それを、理由すら教えてもらえずにひたすら駄目だと云われたこと。


「…っ、もう、いい!」


全てが悔しくて、悲しくて、辛くて。

僕は持っていたお箸を八つ当たりのように机の上に放り投げて立ち上がり、和室まで走る。