スミマセン美有さん…綺麗にあごに入って動けません…
 俺は何とか体に力を入れてぴくぴくとおぼろな足取りで立つ。
 「ご飯できるから呼ぼうと思ったら…」
 「悪いな。集中しちまって目に入らなかったわ。」 この口が悪い娘は来世美有。かなりのおてんば娘だ。
 「まぁもう馴れたからいいけど…」
 「それじゃあ俺がいつもやってるみたいじゃねぇか!!」
 やってます。やってますよ美有さん…
 「まぁ悪かったょ…」
 済まなささそうな顔して、キスを交わす。
 「ほら、これで治っただろ?」
 「まぁ許す。」
 あぁさっきからなんで俺らがキスしているのかと言うと。
 「家訓」だ!!
 俺が勝手に考えた「家訓」だ!!!
 …まぁ皆嫌がる顔しなかったしな。
 「ほら、家ん中入るぞ。ご飯できてるかもしれないからな。」 
 「おう!!メシだ!!!」
 これが榊原家のいつもの日常。
 俺は一生大好きな家族を守る。
 …そう魂に誓ったんだ。