あなたのせいだと言いたかった。
責めることができたら
どんなに楽か……
あたしは、唇を噛みしめた。
「――違う」
言葉が出たものの
陸の目が見れない。
「ふぅん…あっそ」
陸は、呆れた返事をして
あたしの隣を通り過ていく。
その瞬間
胸が痛かった。
「あ、陸行くのか?」
剛が呼び止めると
遠くなる足音が止まったのが分かる。
でも、剛に対してなにか言った
陸の声は聞こえなかった。
ねぇ…
あたしはなにも期待してないよ
期待するなって言われた
あの日からずっと
あなたに惹かれた
あの日からずっと
それでも良かったの
あたしは――
「…姫、ちょっと付き合えよ」
2番目の女だから……