確かに顔が熱くなったけど
顔が赤くなってるなんて……


あのチャラ男が
あんなことするからっ!!





「姫乃は優くんのこと……」


そこまで言って
ユリは口を閉ざした。



そこまで言ったからには
続きにくる言葉は決まってる。



ありえないよ……


私が優夜を?



だってあの男は誰にでもあんな感じで
女の子なら誰でもいいんだ。


軽い言葉だって簡単に言えちゃう
そんなヤツ。



「ねぇ、私がハルくんのこと好きになった時覚えてる?」


「え…?うん、大学1年の冬だっけ?」



ユリに連れてかれた何回目かのサークルの飲み会に、初めてハルさんが来た時だった。


誰にでも優しいハルさんは
みんなの人気者で、ユリはその優しさにイチコロだった。



「誰にでも優しかったけど、私にはそれが特別だったんだよね」



今でもそれは変わらない。


ハルさんは彼女ができたからって女の子に態度を変えたりしなかった。



「私には、他の人以上に優しいよ」



なぜ、その話を私にするの


なぜ、そんな嬉しそうな顔をするの




「姫乃、優くんは違う?」




ユリの言葉にドキッとする。


そしてまた、顔が熱くなると
ユリの顔が満面の笑顔になった。