「あれ?オレら会わなかったよ。海の家って言っても色々あるしね〜」



あぁ…そっか……


倒れそうだった私は

優夜の言葉に
また救われた。


冷静に考えれば分かるのに
バカみたい……



「ユリちゃんは海行かないの?」


「男二人と入っても楽しくないじゃん!だから姫乃待ってたの」



そんな可愛いことを言っても
私に向けられた目つきは鋭い。


怒ってらっしゃる……



「あっそ〜。じゃあ、オレは剛たち追いかける」


平然とする優夜が
私の頭を撫でてから海に行った。


あまりにも自然に起きたことに
顔が熱くなる。




「姫乃さん?」


あ…忘れてた。


てっきり怒ってると思っていたのに
ユリの顔がニヤニヤしてる。


他の人から見たら
絶対怪しい人だと思われそう。



「なによ」


「優くんとなんかあった〜?」


そのニヤニヤ顔から
大体予想はついてた質問。


いや、何もないけど。


「なんでよ」


「顔赤いよ♪」


「ーー!!!」


ユリの顔が更に怪しい顔になる。